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(写真= maxuser /Shutterstock.com)

目次

  1. 天才に打ち勝つAIたち
  2. プロの囲碁棋士に勝利、グーグル・ディープマインド
  3. アメリカのクイズ番組に挑戦「IBMワトソン」
  4. 金融商品の選択を助けるロボアド
  5. 処理能力の高さだけでは優れたAIとは言えない

天才に打ち勝つAIたち

様々な分野で活用されつつあるAI(人工知能)。これまでSFの世界にしか存在しなかった「自分で考えて行動する機械」は、その形を変えて現実の世界に登場した。そして、それらはゲームやクイズの世界で、天才と呼ばれる者たちを打ち破るまでになった。

グーグル・ディープマインドやIBMワトソンなど、そんな世界で名をとどろかせたAIについて紹介する。

プロの囲碁棋士に勝利、グーグル・ディープマインド

グーグル・ディープマインドは、2014年にグーグルが買収した英国の企業で、2010年にディープマインド・テクノロジーズとして設立された。ニューラルネットワーク(脳がどのように考えるかの特性を元にした数学モデル)に強く、人間がゲームに対してどのように対応していくのかなどを研究している。このように書くとあまり知名度もなじみもなさそうに感じるかもしれないが、囲碁のプログラムを開発して人間に勝利した、というニュースは耳にした人も多いだろう。

グーグル・ディープマインドは、2015年に囲碁プログラム「アルファGo」をもって、プロ棋士に史上初めて勝利した。囲碁は、チェスや将棋と比較して想定しうる一手の数が非常に多く、力任せの計算能力で最善手を探していくというコンピュータ解析が難しいゲームだったが、人間に勝利することで大きく技術的に前進した。経済をはじめとした各種活動で行われる意思決定に用いられる数学的なモデルの中で、「ゲーム理論」はよく言われる言葉である。

「ゲーム理論」と言ったときの「ゲーム」は、厳密にはゲームとは言えない部分もあるが、意思決定モデルにゲームの手法が用いられ、それが人工知能の意思決定を楽に実現できるのであれば、ディープマインドが目指しているものは経済界でも、きっと援用できるだろう。

アメリカのクイズ番組に挑戦「IBMワトソン」